建築の図面を読む時に必要な道具の一つに三角スケール(通称:3スケ(サンスケ))がありますね。建築をはじめたばかりのころはこの三角スケールの基本的な使い方がわからず寸法を測ることに苦労することが多いのではないでしょうか。今回は三角スケールで図面の寸法をあたったときに寸法が正しく測れない時の原因と対処方法を一緒に見ていきましょう。
三角スケールで寸法が読めない時のよくある原因ベスト3
- 図面の縮尺と三角スケールの縮尺が異なっている
- 図面が拡大・縮小されている
- 図面の歪みや測定誤差
三角スケールで寸法をあたった時に寸法を正しく読むことができない時のよくある原因ベスト3をあげてみました。実務でも新入社員研修でも、このあたりの間違いを解決すると無事に寸法を測れるようになることが多いので早速ひとつずつ確認していきましょう。
① 図面の縮尺と三角スケールの面(縮尺)が異なっている
三角スケールは6種類の縮尺が用意されている定規なので縮尺にあった定規の面(スケール)を選ぶのが基本なのですが意外とここを間違ってしまうことが多いです。お客さまの前で緊張してしまったり、仕事が忙しくて疲れている時にもうっかり定規の面を間違うことが多くなってしまいます。焦らず深呼吸してみてからもう一度定規の面(スケール)を確認してみましょう。
- 三角スケールには、1/100、1/200、1/300、1/400、1/500、1/600 など複数の縮尺が刻まれています。
- 図面に記載されている縮尺(例:1/50、1/100、1/400など)と、使用している三角スケールの目盛りが一致していないと正しい縮尺で寸法を読み取ることができません。
- 三角スケールの縮尺と図面が描かれている縮尺を再確認し、適切な目盛りを使っているかチェックしてください。
- 正しい縮尺の目盛りを使って図面をあたり、もう一度確認してください。
② 図面が拡大・縮小されている
三角スケールの縮尺選びが合っているのに寸法が読めない場合には図面自体が拡大や縮小で印刷・コピーされていて図面に記載されている縮尺と合わなくなってしまっていることが考えられます。先輩たちはこのことを「この図面、分一(ぶいち)は合ってる?」などの言い方で確認してきます。
建築図面はA1やA2でかいた図面をA3やA4に縮小印刷したり、A4図面をA3図面に拡大印刷して利用する場合がとても多く、この拡大・縮小が原因で三角スケールであたっても寸法を読むことができない場合が多くあります。特に建築図面をあつかい始めたばかりの人や新入社員研修で図面の寸法を測りはじめたばかりの人はこの拡大縮小問題に頭を悩ませる人が多い印象があります。
この図面の拡大縮小問題を解決するには次のような対処方法が有効です。
拡大縮小コピー(印刷)に対応した三角スケールを利用する
建築図面はA1やA2でかいてA3やA4に縮小印刷する、A4図面をA3図面に拡大印刷するなど拡大縮小印刷のパターンがある程度決まっています。実はこの拡大縮小コピーに対応した三角スケールが市販されているのでこれを1本用意しておくと「縮尺合わない問題」にかける時間を大きく減らすことができます。
実は拡大縮小印刷に対応した目盛りをもつ三角スケールが市販されています。
A列縮小コピー(コピーダウン)に対応した目盛りがあるステッドラーの三角スケール。
原図を約70.7%縮小印刷(例:A2→A3、A3→A4など)した時の
1/50、1/100、1/200に対応した目盛りがついています。

図面をあつかう仕事をしていると図面縮小コピー問題によく出会います。縮小コピー対応の三角スケールは1本持っておくととても便利です。
三角スケールであたれる掛け率を計算して実測値を補正する
拡大縮小コピーに対応した三角スケールが無い場合には、三角スケールの目盛りで測った寸法(実測値)と図面に記載されている寸法を見比べ、掛け率を計算してスケールで読み取ります。もはや縮尺が不明となっている場合にはこの計算で解決することが多いです。
計算の実例をひとつ覚えておきましょう。
図面上で「1m(=1,000mm)」と書かれている部分を三角スケールの1/100の目盛りで測ったら1.2cm(=1,200mm)でした。図面の縮尺が正しい縮尺であればこの実測値は1.0cm(=1,000mm)となるのが正解です。
三角スケールと不明な図面の縮尺を合わせることができる掛け率を計算します。
計算式は 【 図面に描かれている寸法 ÷ 目盛りでよんだ実測値 】 です。
この例題では 図面に描かれいる寸法が1,000mm、目盛りで測った実測値が1,200mmでしたので
1,000mm ÷ 1,200mm = 0.833 (83.3%) が実測値の補正に使う掛け率になります。
この掛け率を目盛りで測った実測値に掛けて計算することで寸法を読めるようになります。
例1 実測値 1,200mm × 掛け率0.833 = 999.6mm (=ほぼ1m)
例2 実測値 2,400mm × 掛け率0.833 = 1,999.2mm (=ほぼ2m)
というように実測値に掛け率を掛けて補正することで寸法を読み取ることができるようになりました。
ここで求めた掛け率を使って図面を拡大縮小印刷すると三角スケールであたれる図面ができあがり、その後の図面利用が便利となります。毎回実測値を補正計算して読み取っていると間違いが起きやすくなってしまうのでほかのメンバーが図面を読みとる時の間違い防止にも効果的ですね。
③ 図面の歪みや測定誤差
- 図面が折り目やシワによって歪んでいると、正確な測定ができません。
- 平らな状態で測定しているかチェックしてください。
- 三角スケールを正確に当てていなかったり、視差による読み取りミスが発生している可能性があります。
- 正確に測れているか、他の部分でも測定して確認してください。
古い図面、よれてしまっている図面などの場合には三角スケールであたっても正しく寸法を読み取ることが難しい場合があります。状態がよさそうな部分を参考に拡大・縮小印刷を試みてみることが解決策のひとつですが、実務的にその後も繰り返し図面を読むことになるのでCADでトレースしてしまうのが意外と早い解決策だったりします。
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